本・映画の紹介

『愛と痛み 死刑をめぐって』辺見庸著
 2008年4月5日に、九段会館でFORUM90主催で行った辺見庸さんの講演会を元に、毎日新聞社から出版された単行本が、さらに加筆されてコンパクトな文庫になった。辺見さんの本文はもちろんだが、文庫化に際して新たに収載されたFORUM90でもおなじみの鵜飼哲さんの解説も、実に読み応えがあり、新たな一冊に生まれ変わった感さえある。
 さあ、スマホばかり覗いていないで、102グラムの文庫を両手で持って、講演会を聴きに来られた方も、来られなかった方も、辺見さんの声と息づかいを感じながら、紙のページを一枚ずつめくって、『死刑を本当に執行しているのは誰か?」を考えてほしい。
〔河出文庫、 640円+税〕

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